共感のつくり方 | 天秤座マーケッターの日記

共感のつくり方

藤巻百貨店 にあった藤巻さんとビームス設楽さんの対談から、気になったところを転載!


よいもの、かっこいいものを自らの目利きの中で長年探し求め、世の中に発信し続けてきた憧れの先輩たち。


そんな方々が思う、今の若者(こういうと自分もおっさんってこと。。。)に対しての価値の伝え方については考えさせられることが多い。


「良いものをつくれば価値は伝わるはず…」


こう思いがちな供給者側の思いを今一度見つめなおす必要があるだろう。


共感のつくり方。


永遠のテーマだが、なんとかしたい、必ず。


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藤巻 モノも情報も乏しかった頃と今とでは、とりまく環境は大きく変わりました。でも、「欲しいものがない」という渇望感は未だに解消されていないような気がしますね。


設楽 モノと情報があふれているゆえの飢餓感がありますね。何か探そうと思ったら、 キーボードを叩けば、一瞬で“答え”らしきものが見つかる。でも、本当に欲しいものに出会えずにいる。


藤巻 「何を手に入れれば、満足できるのかがわからない」という悩みもよく耳にするようになりました。


設楽 昔は、簡単には見つけられない“カッコイイもの”を探してくるのが僕らの仕事だった。でも、今は、無数にある情報を絞り込み、これぞというモノを見せる役割 に変わってきているように思います。

藤巻 “目利き”が求められる場面はむしろ増えていますよね。

設楽 より良いものをより分けるというセグメント能力に加えて、今後は“経験”に導く能力も必要とされるでしょうね。今の若い子たちは「カッコいい!」と心を揺さぶられたり、上質なものを身につけたときの気持ち良さを体感しないままに、大人になってしまった人が少なくない。となると、「良いモノって、いいよね!」というアプローチでは共感が得られない。

藤巻 そこはまさに、僕自身も苦労しているところです。

設楽 この間ね、“ソフトバンク・孫正義社長がツイッターで3番目にフォローした高校生”として有名になった、うめけん君と対談したんですよ。

藤巻 面白い組み合わせですね(笑)

設楽 その対談のときにね、彼から「僕は“サブカル”にはあまり詳しくなくて、ファッションのことはよく知らないんです」と言われて、びっくりしちゃった。

藤巻 ええ!?

設楽 僕らはずっと、ファッションはメインカルチャーなんだと思ってやってきたけど、今の10代の子にとって、ファッションはサブカルチャーなのかと……。

藤巻 それは衝撃ですね。

設楽 しかも、Google検索で最初のページは見るけど、2ページ以降はもう見ないという。情報は一通り押さえておけばOK。それ以上深く掘り下げるのはマニアな人だけだと。

藤巻 いやいやいや(笑)。

設楽こうした世代にどうやってアプローチすれば届くのか、僕たち大人が必死に考えなくてはいけない局面に来ているんだと思います。